カラーソファと聞くと派手なイメージを思い描かれますか?それともイタリアの外車や海外ホテルラウンジのイメージが浮かびますか?日本住宅でカラーソファを愛用している家は海外に比べるとまだ少ないと言われています。確かにインテリアの相談を受けているとお客様はカラーソファを使っていることは少なく感じます。
私は、ご新築やご新居のお客様が、新しい家のリビングにまだ漠然としたイメージしか抱いていないと感じた時、「ソファはどうされますか?色は何色でしょう?」と質問を投げかけます。するとほとんどのお客様はわりと明確に答えます。「ベージュかな。」「グレー系を買おうと思って。」それを聞いてから更に「素材はなんですか?」とうかがうと、大体の人が布製で汚れが目立たないようなものを望まれます。
無難な色のソファほど実は難しい
グレーやベージュの色のソファは意外とインテリアのコーディネートバランスをとるのにテクニックがいるものです。形や柄によって素敵にもそうでもないようにも見えてしまう、選ぶのに慎重さが必要な難しい色です。
何故ならベージュ、グレーなどの曖昧な色はフローリングの色によって印象がかなり変わってしまうからです。カーテンに柄や色があってもさほど失敗した経験がないのは、壁の色が薄いオフホワイトか白がほとんどだからです。どんな色や柄でも白やオフホワイトなら合わないということはありません。
しかし、ほとんどの家の床の色は白やオフホワイトではなく、こげ茶、ブラウン、ナチュラル、ナチュラルライトなどの茶系になります。また木の目や板目の走り、木の幅や溝などもあります。その上にグレーやベージュの色を置くとどうでしょう?このような床にどの色が合うのか、すぐに想像するのは難しいですよね?
床の色に左右されるソファの色
「店頭でこの色のソファ素敵!と思って買ったけど実際自分の家に置いたら何故か印象が違う。」ということや「インターネットで購入したけど全然色が違って失敗。」ということが最近増えているようです。先の「店頭で見たのと自宅では印象が違う」といった原因の1つに、ソファが展示されている店頭の環境と自宅の環境とでは大きく異なる要素があることがあげられます。
まずは先ほどからご説明している床の色。店舗ではフロアタイルなどを床に施工していることが多く、様々な色の家具なども置くために白系や薄いベージュにしています。これらの色はそこに置いてある商品の色を引き立ててくれるのでソファの色がとても映えるのです。
次の要因は照明です。店の照明は間接照明とスポットライトなど数種類の光源を使用していますので、家庭の1種類や2種類程度の明かりで照らしているのとは見える色がかなり違います。ましてご自宅のリビングが白昼色の蛍光灯だけになると違って見えるのは当然のこと、特に先ほどご紹介した曖昧な色のグレーやベージュ系は違いが大きく感じる色と言えます。
床の色に合わせた美しい色のソファとは?
では、どのような色のソファが店頭でも自宅でも同じように美しい色なのでしょうか。まずは自宅の床が何色で照明の光源はどうなのかを念頭にいれてから、作りたいインテリアカラーを考えてみましょう。
ブラウンやダークグレーの濃い色の床に合う色は?
床の色が濃いブラウンやダークグレー、またはブラックの色だとします。そこにオススメするソファカラーとしては、反対色か同系色の色が相性は良く綺麗なソファに見えます。ブラウンの床ならオフホワイトカラー、ダークグレーやブラックならホワイトカラーがおすすめです。そして照明はソファの白色系を考慮して電球色の照明を選んでください。それをダウンライトなどで数点天井に施すとソファが綺麗に見えます。
ナチュラルやナチュラルライトの明るい色の床に合う色は?
反対に床の色がナチュラル、ナチュラルライトなどの明るい色や木の板目などがある場合はダークネイビー、こげ茶、チェック柄や花柄などの布製ソファなどが相性はよいようです。逆に木の色に近い黄色、オレンジ、赤などの暖色を使うと洗練された空間を作るのが難しくなりますので、暖色のソファを使いたい場合はスツールや一人掛けなどのボリュームダウンしたものを使うとよいかもしれません。
照明もソファを少し照らすようなサイドテーブルランプやフロアランプなどがあると、そのソファの色の魅力などを引き出してくれます。
ソファは単体で選ばないことが大切
このようにソファはカーテンと違い、単体で選んでしまうと失敗する可能性がおおいにあります。対策の1つに、希望の床とソファがうまくマッチしないときはその床にラグマットを敷いたり、ポイントになるクッションを置いたりすることでカラーバランスを取る方法もあります。
例えばソファがブラックカラーの場合はどうしても床との色馴染みは差がでてしまいますので、ソファの色の流れを汲んだグレイカラーのラグなどを敷くと、センスよくソファのブラックを床に馴染ませることができます。
またなんだか買うのが怖くて、失敗したくないという人にはカバーリングタイプのソファを購入されることをおすすめします。カバーリングタイプは専用のところでドライクリーニングができるのはもちろん、なにか違う?と思ったときにカバーだけを作り直せば気軽にソファの色を変えられるので心配な人には良い方法です。
まとめ
このようにソファは単体で色を決めるのは難しいため、店頭で専門の人にインテリアのご相談を含めカラーのアドバイスを聞いてみると良いと思います。ぜひお店に足を運び、素敵なカラーソファを選んでみてくださいね。