こんにちは。整理収納アドバイザー、ルームスタイリストプロの 岸上 のぞみ です。3階建て2階リビングの建売のお家で、夫と息子と私の3人、時々保護猫と暮らしています。
数年前にブームとなったシンデレラフィットという言葉。本来は別の用途だったものが、両者のサイズが偶然ぴったりだったために収納に最適に使えたり、組み合わせると最適に利用できたりする様子のことを言うようですが、昨今では空間のサイズにぴったりと隙間なくおさまる収納のことを指している場合も多いようです。
片づけの現場などに行くと、「シンデレラフィット=収納の正解」と認識している方が一定数いるように感じますが、何事にもメリットとデメリットの両方の側面があるもの。今回は「こんなシンデレラフィットは使いにくい」というケースをご紹介しますね。
・収納の中身までシンデレラフィット
使うもの=収納の中のものまできちんと綺麗に並べた収納。もちろん見た目は美しいのですが、片づけのハードルは上がってしまいます。
例えばおもちゃをパーツごとにぴったりおさめる収納。取り出しづらく、片づけにも時間がかかります。特に小さいこどもや片づけが苦手な方には向いていません。
ざっくりジャンルごとにポイポイ投げ込む収納の方が、使う時も片づける時もはるかに簡単です。この例では「プラレール」というジャンルでパーツごとには分けていませんが、パーツの多さや細かさ、使う頻度や年齢などによって、収納を分けるのはOKです。
・手が入る余白がないシンデレラフィット
造り付けの収納や、収納家具の中に、ボックスなどを使って収納をつくるときに気をつけたいのがこちら。
このボックスぴったり!と一瞬うれしくなりますが・・・
手が入る隙間があると取り出すのも片づけるのもワンアクション(一度の動作で済むこと)で、簡単です。特に使う頻度が高いものは、シンデレラフィットよりも「手が入る余白」を優先してください。
・1mmの隙間もないシンデレラフィット
わが家のキッチン横にある収納スペースの幅は約1200mm。そこに幅150mmのファイルボックスが6つと、幅100mmのファイルボックスが3つ。合計1200mmでシンデレラフィットと言えるかもしれません。もちろんこれは偶然ではなく、サイズを計測して収納計画を立てた上でファイルボックスを追加購入した意図的なもの。
ただし1200mmの幅に1200mmぴったりの収納用品を配置するのは実は結構リスキー。隙間なくぎゅうぎゅうにボックスが並んだ状態だと、ボックス同士が押し合って、取り出す動作・しまう動作どちらもスムーズにいかないことがあります。ものを入れる前にボックスだけを並べ、確認してみてください。
収納を考えるときの第一優先は?
シンデレラフィット収納には、空間を無駄なく使えること、収納量が上がること、見た目に美しいことなどのメリットがあります。
ただし、ものやスペースに合わせた収納ではなく、自分や家族に合わせた収納を考えること。収納を考える上での第一優先はいつも「そこに暮らす人」だということを忘れないでくださいね。