インテリアを考える時、「目立たせたいもの」と「目立たせたくないもの」をしっかり分けると、メリハリが出て雰囲気が良くなります。場所や大きさによって目立つ・目立たないを意識している方は多いかと思いますが、今回お伝えしたいのは「差」についてです。隣合わせのものと差が大きいと目立ち、差が小さいと目立たない。これだけ理解し、部屋に落とし込むことができると、どんなお家でもさらにインテリアを楽しむことができますよ。それではインテリアをもっと楽しむ「3つの差」について具体的に見ていきましょう。
- 岸上 のぞみ 整理収納アドバイザー/ルームスタイリスト
- 3階建て2階リビングの建売のお家で、夫と息子と私の3人、時々保護猫と暮らしています。ノウハウだけでなく、自分の心の声や感覚に気づき行動することを大切にしたお片づけレッスンなどを開催。
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1. 色の差
上の図のような色を順序立てて円環にしたものを色相環といいます。隣合う色同士(類似色)は差が少なく、反対側にある色同士(補色)は色の差が大きくなります。
例えば部屋の中で目立たせたくないものの代表、テレビ。無彩色なので先ほどの色相環には登場しませんが、黒の最も差が大きな色は白です。日本の家の壁紙は白のケースが圧倒的に多く、白と隣接していることでテレビの黒もより目立ちます。さらに壁がけテレビの場合、四方を白に囲まれることでフレームのような効果が生まれ、黒い四角形が際立ちます。
一方、グレーの壁に配置すると、テレビの輪郭が白の時と比べて主張せず、色の差が少ない分、目立たなくなっています。テイストの好みもあるのでこれが正解!というわけではありませんが、色の差によって大きく印象が変わることが分かります。
色はインテリアの中でも特に認識しやすい要素なので、新しく何か取り入れなくても、まずは部屋の色数や色の差を意識してみるだけでも印象は変わってきますよ。
2. 素材の差
素材はインテリアの質感を高めるのに大切な要素。例えば雑貨を飾る時などは、基本的に同じもしくは似た素材のものを同じエリアにまとめることで「素材の差」が少なくなり、インテリアにまとまりが出ます。
統一感はあるけれどもう一歩何か物足りないという方は、あえて差の大きい素材を隣あわせにする方法も。例えばここでは、木の棚やカゴといった自然素材の隣にステンレスのウォーターサーバー等があることで素材の差が生まれ、お互いが目立つことで引き立て合っています。素材で差を出して質感をアップさせる方法は、インテリアの色数を増やしたくない方にもおすすめです。注意点としては100均のプラスチックケース等で質感の差を出してしまうと逆にチープさが強調されてしまうので、できれば目立たせても遜色ないと自分が思える、デザインされたものを選びましょう。
3. 明るさの差
雑誌やおしゃれな部屋の画像など「雰囲気が良い」と感じる写真の多くは、光と陰をうまく捉えています。
このことからも、光は生活に必要なだけでなく、インテリアとしても重要な役割を担っていることが分かります。ここでも光と陰の差があると目立ち、差が少ないと目立たないという理論は同じです。
空間を全体的に明るくする天井照明は生活面では便利ですが、一方で光と陰が目立たないという面も。ペンダントライトやフロアライトなどの部分的な光を取り入れることで陰影ができ、部屋がのっぺりした印象から立体的に魅力的に見えるようになります。
自分の暮らしに落とし込めばお家がもっと好きになる
今回はインテリアをもっと楽しめる「3つの差」についてお話ししました。すべて完璧にしなくても、場所や好みによって部分的に取り入れる等、自分のお家で実践してみてくださいね。自分の暮らしに落とし込めると、お家がもっと好きになること間違いなしです。