部屋は自分や家族が選んだもので構成されます。つまりもの選びの満足度が高ければ、満足度の高い環境で暮らすことができるということ。数値で測るのは難しいけれど、「使っているか」「使う時にストレスや違和感を感じないか」等が満足度に関わってきそうです。片付けにおいても、ものの入り口である買い物に意識を向けることはとても重要です。今回はそんな買い物の満足度を上げるためにお伝えしたい内容をお伝えしていきます。
- 岸上 のぞみ 整理収納アドバイザー／ルームスタイリスト
- 3階建て2階リビングの建売のお家で、夫と息子と私の3人、時々保護猫と暮らしています。ノウハウだけでなく、自分の心の声や感覚に気づき行動することを大切にしたお片づけレッスンなどを開催。
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大前提を理解しておく
大前提として、世の中のほとんどのものは「買ってもらう」という目的を持っています。企画、生産、宣伝、デザインやディスプレイ等、多くの大人が多くの知恵と労力を絞って存在しています。移動中には広告が目に入るし、テレビやYouTubeの広告、SNSの中でも企業やインフルエンサーが商品を買ってもらうための投稿をしています。
自分が買い物をする背景に、大きな意図が存在するということを理解しておくこと。良し悪しは人によって違うので、敵対せず、理解するだけで大丈夫です。全ては難しいかもしれませんが、背景を知った上で納得した買い物ができると、「買わされている」が減ります。そうすると、自ずと部屋も散らかりづらくなります。
好きなものや違和感を観察する
これまで自分が選んできた好きなものを観察し、共通点を探してみましょう。
例えばこの場合、経年を感じる木という共通点が。逆に木目調がプリントされたフローリングなどには違和感を感じるので、もの選びの際は質感に注意しています。色や素材、質感やサイズ感など、自分は何が好きで何に違和感を感じるのか、深掘りすることで今後の買い物に活かすことができます。
家の中の整理はそれらを観察する絶好の機会ですので、ぜひ定期的に行ってみてください。
ミクロとマクロ、
両方の満足度を考える
何度かお伝えしている内容なのですが、私が買い物をする際に必ず意識していることです。お店でこれ素敵だな、と思った時点でミクロの視点は満たされています。一方、自分の家に置いた姿をイメージします。頭の中だけでなく、置きたい場所を撮影した画像と照らし合わせるとより分かりやすいです。実際に自分の家に置いて、素敵だと感じることができれば、マクロの視点でも満足度が高いということになります。
洋服を見て素敵だと感じ、いざ着てみると自分には似合わなかった。というのも、ミクロ視点だけで購入してしまったパターン。こういった買い物の失敗が多い人は、マクロの視点を鍛えることが重要です。
我慢ではなく、買わなくていいものを買わない
ものを買うことは、豊かになるための行為です。ものを生み出すことも、それを買うこと、使うことによって気分が上がることも、人間ならではの楽しみだと思います。心から欲しいと思うものを我慢する必要はありません。
最近では環境への関心の高まりから、「環境にやさしい・サステナブル」と謳う商品をたくさん見かけるようになりました。しかし、できるだけ「買わなくていいものを買わない。」という意識が、自分にとっても、部屋にとっても、地球環境にとっても、すこやかな選択のような気がしています。
自分や家族に必要なものや好きな感覚の理解を深めていくことが、外からの情報よりも買い物の満足度を高めてくれます。買い物の前にぜひ今あるものに目を向けてみてくださいね。
