こんにちは。整理収納アドバイザー、ルームスタイリストプロの 岸上 のぞみ です。3階建て2階リビングの建売のお家で、夫と息子と私の3人、時々保護猫と暮らしています。
前回の記事「今日から子どもと一緒にお片づけ。親が意識したい3つのポイント」では日常のお片づけについてお話ししました。おもちゃの量が多すぎると片づけのハードルが上がるのはもちろん、選択肢が多すぎることで子どもの集中力や想像力を削ぐことも。今回はおもちゃの「整理」に焦点を当ててお話ししていきます。
ポイント1. 日常で手放す経験を積み重ねておく
幼児期には、ゴミをゴミ箱に捨てる、という動作を遊び感覚でしている子どもも多いかと思います。一緒にゴミステーションまでゴミ袋を運んだり、一緒にリサイクルショップに持って行ったりと、家の中から外に出すという経験を一緒にすることで、言葉だけでは伝わりづらい「手放す」を体感として身につけていきます。
ポイント2. おもちゃの定位置をはっきりさせておく
まずはおもちゃの定位置を明確にしておきます。子どもにとってその場所が「おもちゃのお家」と認識できていればOK。適量を幼い子どもが自分で決めるのは難しいので、「この場所に入る分だけ。」とスペースで量を決める方法が一番シンプルです。
あまり使わない2軍のおもちゃは子どもから見えない別場所の管理でも良いですが、これも増えすぎないように気をつけましょう。
ポイント3. 定期的に整理するタイミングをつくる
全てのものに言えることですが、ものの適量をキープするためには一度整理して終わり。ではありません。「整理するタイミング」を意識的につくることで、習慣化してしまいましょう。
おもちゃの整理におすすめなのは、誕生日やクリスマスなどの新しいおもちゃが入ってくる前のタイミング。定位置がしっかり決まっていれば、「おもちゃのお家がいっぱいで新しいおもちゃが入る場所がないね。」など声かけがしやすいです。
また、新学期や新学年に切り替わる前のタイミングなども、「お兄ちゃん、お姉ちゃんになる」と自覚するタイミングでもあるので、ものの見直しにおすすめです。
ポイント4.「全部いる!」にはどう対応する?
基本的におもちゃ整理のやり方は他のものと変わらず、全部出す→要る、要らないを区別するという流れ。一気に全部やろうとせず、まずはボックスひとつだけ、など子どもの様子を見ながら小さい範囲から親子でやってみてください。
「これはまだ遊びたい?」「これは要る?」などの質問で要・不要を判断できる子もいれば、「全部要る!」というケースも。子どもの判断を否定しないということが大前提ですが、すでに収納から溢れていて部屋が片づかない!といった場合は、少しアプローチを変えてみると良いかもしれません。
ゴールを見える化してあげる
一度おもちゃを全部出してすっきりした棚に一番お気に入りのものだけを飾ってみる。片づいた部屋の写真等を見せて「どのお部屋が好き?」と尋ねてみる。親の「こうしなさい。」ではなく、子ども自身の「こうなりたい!」という気持ち引き出すことが大切です。
写真に撮ってコンパクトに残す
あまり遊んでいないけれどサイズが大きいものや立体作品などは、写真に撮って残すという方法も。子どもと一緒に撮影すると振り返ったときによく遊んでいた時期がわかりやすく残せるのでおすすめです。
手放した後のことを視覚的に伝える
捨てることに罪悪感を持っている場合や、まだ状態が良いものを手放すとき、手放した後に別の子どもが使ってくれると分かると手放せる場合も。実際にリサイクルショップに一緒に持って行ったり、寄付ウェブサイトの写真などを見せて、言葉だけではなく視覚的にも伝えてみましょう。
手放す際に「今までありがとう」と声に出してお別れするのもおすすめです。
ものとの関わりを育む
子どもとおもちゃの関係は、生まれて初めて「ものと人との関わり」の基礎を築く貴重な時期。親が勝手に判断して捨ててしまうのではなく、子ども自身に判断を委ねることで、判断力や自分で選択する力を覚えていきます。
まずは結果よりも習慣づける意味合いで、小さい範囲から。いくつかアプローチを試してみて子どものやる気スイッチが入らない場合は、一度保留する勇気も必要。人によってタイミングはそれぞれです。そんな時は自分のものの整理に集中するのが親のメンタルにとってもベターな選択です。