片付けの最初にして最大のポイントと言っても過言ではない整理。必要なものと不要なものに分け、不要なものを取り除くことを指しますが、片付けが苦手だと感じる方の中には、そもそも「ものが手放せない。」という方も。ものの適正量は人それぞれですが、管理ができずストレスに感じているのに手放せないという場合は、一度そこに潜んでいる様々な不安や思い込みと向き合うタイミングなのかもしれません。
「ものが手放せない。」その裏側にある潜在的な思考を3つご紹介します。
- 岸上 のぞみ 整理収納アドバイザー/ルームスタイリスト
- 3階建て2階リビングの建売のお家で、夫と息子と私の3人、時々保護猫と暮らしています。ノウハウだけでなく、自分の心の声や感覚に気づき行動することを大切にしたお片づけレッスンなどを開催。
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自己肯定感の低さ
「自己肯定感」はよく聞く言葉ですが、ここではありのままの自分を自分で認めているかどうかといった意味合いで使います。「自分が大好き!」というような自己評価の高さとは違います。

たとえば「○○を持っている自分に価値を感じている」場合、極端に言うと「持っていない自分には価値がない」と感じていることに。職業や地位やフォロワー数などもそうかもしれません。所有するものや条件ではなく、自分の存在そのものを認めることができれば、執着が減り、不要なものは手放せるかもしれません。
失敗してはいけない

「捨てた後にやっぱり必要になるかも・・・と思うと捨てられない。」という方は自分の失敗に厳しいのかもしれません。「捨てたことを後悔した」という事例は広い範囲で見ると0%ではないでしょうが、それを「失敗」と捉え責めているのは他の誰でもない自分自身。「失敗」というのは結果ではなく、やってみてわかる途中経過にすぎません。「まぁしょうがない!大丈夫!」と自分を許してあげられるようになることで、失敗への不安も減り、それが行動力に繋がっていきます。

どうしても心配な場合は、必要なものと区別して保管し、手放す前のお試し期間を設けるのも一つの手です。
損をしたくない
「購入したとき高かった」「全然使っていなくて綺麗だから」等の理由で、手放すことを躊躇するケース。

まだ使えそうなものを手放す際に、メルカリやリサイクルショップを利用する人も多いかと思います。サスティナブルな観点から見ても、ゴミとして捨てるのではなく、次に使ってくれる人の元へバトンパスをするのは大切ですが、手放すことよりも利益が目的になってしまうと手放すまでに日数がかかってしまうことがよくあります。本来の目的が「ものを手放して家の中をすっきりさせること」であれば、希望の価格で売れるのを待ち続けるより、スムーズに手放してすっきりした空間を叶えることの方が、あなたにとって有益かもしれません。
まとめ:ものを手放すことで得るもの
決してここに当てはまるような思考を持つのが悪いことではありません。無意識だった思考に目を向けてあげることで、少しずつ行動が変わって、状況も変わってくるので大丈夫。

ものを手放すのにも、人それぞれのタイミングがあるもの。不要なDMや賞味期限の過ぎた食品など、まずは簡単に判断できるものから手をつけてください。今まで手放せなかったものを手放せるようになったとき、ものだけでなく不安な気持ちや思い込みが昇華され、きっとそれまでよりも自分に寄り添える自分になっていますよ。