家の中が片づかない原因は、自分の管理できるものの量を超えている。という点がとても大きい要素としてあります。言葉にするとシンプルなのですが、そこで立ちはだかるのが「捨てられない。」という感覚。多くの人は手放すか迷った際に「とりあえず置いておく」という選択をすることで、思考を止めます。
捨てられない本当の理由は、この「思考の停止」にあります。
手放すことに慣れていないうちは一旦それでも良いかもしれません。ただ、「本気でものを減らしたい。」という方は、自分の思考をもう1段階、2段階、と掘り下げてみましょう。すると、捨てられない理由の中にある自分の思い込みに直面することになります。
思い込みに直面した際、「それ本当?」と自問し、「事実と分けて考える」ということをおすすめしています。具体例を挙げてみますので、参考にしてみてくださいね。
- 岸上 のぞみ 整理収納アドバイザー/ルームスタイリスト
- 3階建て2階リビングの建売のお家で、夫と息子と私の3人、時々保護猫と暮らしています。ノウハウだけでなく、自分の心の声や感覚に気づき行動することを大切にしたお片づけレッスンなどを開催。
Instagram:@nozomi_kurashi
webサイト:日々柔-hibinew-
1. いつか必要になるかもしれない
書類や家電の使っていない替えパーツなど、保管の必要や思い入れがあるわけではないけれど手放せないケース。
▶︎いつか必要になるかもしれない
▶︎必要になった時に捨てていたらとても面倒なことになると思っている(思い込み)
▶︎面倒なことを回避したい・失敗してはいけない」と思っている(思い込みの原因)
思い込みや原因に気づいたら、次に事実を確認。
✔︎ 過去何年も必要になったことはない
✔︎ 保管するために収納スペースを圧迫する一部になり、現時点で片づかないという面倒さを生んでいる
✔︎ 必要になったタイミングで再度購入したり、再発行したりすることも可能。
2. もったいない
次は、過去に高い金額を出して買ったものなど、今は「使いたい」とは思わないけれど手放せないケース。
▶︎もったいない
▶︎まだ使えるから手放すと損する。と思っている
▶︎手元に置いておく方が損を避けられる。と思っている(思い込み)
▶︎損をしたくない。と思っている(思い込みの原因)
思い込みや原因に気づいたら、次に事実を確認。
✔︎ 現時点で過去何年も使っていない。使いたいと思わない。
✔︎ ものの価値は使うことで発揮される(思い出のものは別。)
✔︎ 収納スペースという空間の価値を、使わないもので圧迫している。
「思い込み」と「事実」をフラットに見つめる。
ここでお伝えしたいのは、100%事実を優先して手放さなければいけないということではありません。「思い込み」と「事実」を両方フラットな感覚で見つめて、今の自分で選択する。もちろん判断を保留にするものがあっても構いません。
思い込みは誰にでもあるもので、ここに挙げたものはあくまで一例にすぎません。同じ「いつか必要になるかもしれない」「もったいない」でも、人それぞれ違った思い込みが出てくることもあるので、自問自答することが大切です。
収納特集の本を読んだり、便利な収納グッズを買っても部屋が片づかないのは、自分の外側に答えを探すのではなく自分の内側を見つめてね。という合図でもあります。思い込みを手放すタイミングが訪れると、選択が変わり、行動が変わり、人生も変わってくるのかもしれません。