散らかった部屋を見て、今日こそ片付けに取り掛かろう!と決意したのに、考えるだけで時間が過ぎてしまい、結局片付けを進めることができない。その進まない現状を見てさらにやる気がなくなるという負のループ。経験したことのある方や、今まさに経験している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このコラムでは、片付けに取り掛かろうとする際に進まない原因と、その解決法をお伝えしていきますので、どうぞ最後までお付き合いください。
- 岸上 のぞみ 整理収納アドバイザー/ルームスタイリスト
- 3階建て2階リビングの建売のお家で、夫と息子と私の3人、時々保護猫と暮らしています。ノウハウだけでなく、自分の心の声や感覚に気づき行動することを大切にしたお片づけレッスンなどを開催。
Instagram:@nozomi_kurashi
webサイト:日々柔-hibinew-
【原因】収納について頭で考えすぎている
片付けようと思っているのになかなか取り掛かれないという人は、手をつける前の段階で「収納」についてこんなことを考えていないでしょうか。
- 片付けは「全部出す」と聞いたことがあるけれど、その後どう収納したらいいのか分からない。
- 収納が足りないけれど、どの収納用品を買うのが正解なのか。
- この収納は奥行があるから、収納方法が難しい。
あれこれ考えているうちに、片づけへのハードルがますます高くなり、余計に取り掛かりづらい状況に‥。片付けを体系的に学びたい場合は別ですが、自分の家を片付け始める前に必要なことは、たったひとつ。収納方法やアイディアではなく、片付けの順番を理解することです。
片付けの順番を理解する
「整理→収納→片付け→整頓・掃除・インテリア」というのが片づけの基本的な順番です。それぞれ具体的には、次のような作業を行います。
- 整理
必要なものと不要なものを分け、不要なものを手放す。 - 収納
整理で残した必要なものや好きなものを、使う人に合った位置に収める。定位置をつくる。 - 片付け
生活の中で使ったものを、元の定位置に戻す。 - 整頓・掃除・インテリア
汚れを取り除いたり、バランスを整える、飾る等、心地よい空間に整える。
整理・収納は、暮らしの土台となる仕組みを整える作業。日常の片付けや掃除を楽にしてくれます。
【解決法】
手を動かしてから、考える
片付けの順番を理解したら、まずは整理です。その時に大事なのが、収納について考えるのを一旦きっぱりやめること。どんな収納用品が必要か、収納スペースをどう使うかなどは、一旦横に置いておきましょう。整理とは、自分にとって必要なものや残したいものをはっきりさせること。地味で地道な作業ですが、手を動かすことこそが片付けが進まないことに対してのたった一つの解決法です。
残したいものがはっきりしたら、そこからが収納について考える番です。残したいものを種類や使う頻度ごとに分けて、一旦家にある紙袋などでそれぞれの部屋を作ってあげます。使う場所や頻度を考え、収納場所を考えます。そこまで来て初めて、収納用品を検討する段階になります。
一歩踏み出したら、カタがつくまで続けるだけ
片付けは、溢れたものをどう収納するか考えることではなく、まず必要なものを選び、それに適切な場所を与えてあげることです。順番を理解して一歩踏み出したら、途中でやめない限り必ずカタはつきます。ひとりではその一歩がなかなか踏み出せない、または続けられないという方は、伴走してくれる整理収納のプロに頼ってみるのも理想の空間への近道ですよ。