こんにちは!整理収納アドバイザーのすぎたともみです。自分の家の片付けも大事ですが、親の住まいの片付けにお悩みの方も多くいます。高齢になった親のモノの片付けは、体力的にも気力的にもサポートが必要。ですが、自分の実家(義理の実家なら特に)だとしても、どう進めたらいいのか、どう伝えたらいいのか、迷ってしまうことも多々あります。今回は実家の片付けの進める際に、私が大切にしているポイントを3つご紹介します。
- すぎたともみ 整理収納アドバイザー
- 東京都在住。小学生の息子と夫と、夫の両親との二世帯住宅に住んでいます。
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1. 相手のペースを大切にする
「実家に帰る度に、散らかったキッチンが気になる」「開かずの間になっている物置部屋を、ずっと前からなんとかしたいと思っていた」、、、こんな風に、子の立場からすると「今すぐ」取り掛かりたい片付けかもしれませんが、相手にとっては急に片付けを迫られてびっくり!なんてことも。高齢な親世代にとっての片付けは、体力的にも気力的にも不安に感じる方がほとんど。心の準備が整わないうちに進めるのは避けましょう。
例えば「今度帰省する時、一緒に片付けない?」とまずはひと声をかけてみるところからスタートするのはいかがでしょうか。相手も片付けたいと思っていれば、当日までに心の準備もできます。相手が片付けたいと思っていない場合は、まずじっくり話し合うことが大切です。
2. 相手にとってのメリットを伝える
親が片付けに抵抗している場合、無理矢理進めてはいけません。片付けをスムーズに進めるためにも、衝突を避けるためにも、お互いに納得して同じゴールを目指せる姿勢になることが先決。その時、まず伝えたいのは親にとって片付けの必要性やメリットです。特に親世代の片付けで伝えたい、大切なキーワードは「安心と安全」です。
例えば、今後体力や認知能力の衰えが予測される中、日常生活をしていく上でキケンな収納になっていないか、出し入れする際にモノが落ちたり、体に負荷のかかる動作になっていないかをチェック。吊戸棚や天袋など高い位置に、たくさんの荷物が押し込まれていたり、重いモノが収納されている場合は、本人も使いにくさを感じていると思うので、片付けによる改善を提案してみましょう。
更に、モノが通路の邪魔をしていないかどうかも確認したいところ。普段の生活動線はもちろん、万が一の時に救急隊員が入って来られるスペースが確保されているか、そんな想像も片付けの必要性に結び付けてくれます。また、貴重品など重要な物の場所を親だけでなく、子が把握しておくことも安心につながります。散らかっている部屋や溜め込まれたモノに対して責めたくなる気持ちはグッと堪えて、片付けた後に「安心・安全」を叶える、そんなイメージをお互いに持ちましょう。
3. 無理に捨てさせない
子が片付けを手伝ってくれること、それはとても助かることかもしれませんが「自分のモノを勝手に捨てられたらどうしよう」「責められたり怒られたりしたくない」といった心配を抱えている方もいます。
物の出し入れ、仕分けなど、力を使う作業は子が率先して動くのがベターですが、モノを残すか手放すかの判断は、持ち主である親に委ねるのが基本。「これからも使うモノを残して」と声をかけて、親が残そうか手放そうか迷っている時は背中を押す一言を加えましょう。
使っていないのに手放せないモノがある時は、その理由を聞いてみましょう。言葉に出していくことで、解決の糸口が見つかります。
まだ使える、キレイなモノなのでもったいない ⇒ 寄付やリサイクルを提案する
いつか使うかもしれない ⇒ 同じアイテムを一か所に集め、十分な量だけ残す
捨て方が分からない ⇒ 地域の回収方法を一緒に調べる
このように、相手が何に不安を感じているかによって、必要なサポートは変わります。
「モノを外に出すこと」だけでなく、「モノにまつわる不安を手放すこと」も片付けにおいてはとても大切です。目に見える変化を急がず、できるサポートから進めていきましょう。