使いやすい収納に欠かせないグルーピング。同じ種類や同じタイミングで使うものをひとまとめにしておくことで、日常の動作が格段にスムーズになります。
「ペン」「えんぴつ」などの種類ごとに分ける方法は比較的分かりやすいのですが、同じタイミングで使うものをひとまとめにするグルーピングは個々の行動で異なってくるので、まずは自分や家族の行動をよく観察するところから始まります。今回は使うタイミングに合わせたグルーピングの実例をいくつかご紹介していきますので参考にしてみてくださいね。
- 岸上 のぞみ 整理収納アドバイザー/ルームスタイリスト
- 3階建て2階リビングの建売のお家で、夫と息子と私の3人、時々保護猫と暮らしています。ノウハウだけでなく、自分の心の声や感覚に気づき行動することを大切にしたお片づけレッスンなどを開催。
Instagram:@nozomi_kurashi
webサイト:日々柔-hibinew-
パッと手に取れるふきん3点セット
キッチンで毎日使うふきん類。わが家では手拭き、食器拭き、台拭きの3種類を必ず使います。
それぞれ2セット用意し、洗濯を終えたらキッチン背面のケースへ。1セットは使用中、1セットは洗濯中またはケースに入っているという仕組みです。
それぞれ別の場所に収納していると3つの場所からピックアップしないといけませんが、まとまっているとワンアクションで取ったりしまったりできるので、頭も行動もスムーズに。ストックは別の場所に収納し、ケースの中が常に1セットだけの状態にしていることも、家族がどれを使えばいいのか分からず困った経験からの一番シンプルで分かりやすい仕組みです。
起床から出発までの行動に沿った身支度セット
朝はスムーズに動けるかどうかがより重要な時間帯。そこで大切なのが自分の行動に沿ったものの配置です。まずは朝の行動を振り返り、
- 必要なものが手に取りやすい場所にあるか。
- あまり使わないものと一緒に埋もれてしまっていないか。
- あちこち動き回るような動線になっていないか。
を確認してみてください。
例えば私の場合、メイク▶︎飲食▶︎家を出る直前にアクセサリーとリップという行動順。そのため、リップはメイクポーチではなくアクセサリーと同じ定位置(グルーピング)にすることで、スムーズに身支度が出来るようになっています。
フタのあるボックスや引き出しは使わずにオープンな収納にしているのは、バタバタしがちな朝の出発前にサッと手に取れるように。自分に合った収納になっています。
アナログの生協注文はワンアクションのセット
毎週の生協注文はスマホでもできるけれど、注文用紙に記入するアナログな方法が好きで、必要なものを100均のファイルに収納しています。
このファイルには商品冊子や注文用紙の他に、メモとボールペンを一緒に入れています。ボールペンの収納場所は近くにあるのですが、ファイルひとつをテーブルに持っていくだけですぐに注文作業に取りかかることができるので動きがスムーズに。週に一度のタスクも、必要なものがひとまとめになっていることで億劫にならずに済んでいます。
固定概念を外す思いやり
タイミングでまとめるグルーピングは、「普通これはここに収納するよね」「同じ種類のものは同じ場所にあるべき」といったような固定概念を外し、自分や家族の行動に寄せることができるかがキーになります。
この感覚が腑に落ちると、トミカの収納ボックスに恐竜が混ざっていても「よく一緒に遊んでいるからこどもなりのグルーピングなのね」と家族の行動背景も理解できるようになったりします。固定概念より自分や家族への思いやりを優先させて、収納によって暮らしがスムーズに回っていく。それを実感できるようになると、片づけは億劫ではなく暮らしを楽しむための手段になっていきます。